Jeff Parker 作
Sandy Jarrell 画
Kevin Volo カラー
Oni Press 出版
"Do you think we're alone… in all this?"
流星雨の夜、少年の両親が遺した牧場に隕石が落ちて…
少し懐かしく、静かな余韻を残すジュブナイル。
※2015.3.22 「地味に好きなコマ」を数個追記しました。
こんにちは。共同投稿者の96 takewaofu と申します。
今回はMeteor Men の紹介をさせて頂きます。
本作のジュブナイルの雰囲気がとても好きなので、今回書かせて頂きました。
そのせいで趣味成分が強めとなっておりますが、お付き合い頂けますと幸いです。
(※画像はプレビューより、また携帯により撮影したもの等を使用しています。画質のばらつきなどご容赦下さい。
なお、もし問題があれば消去します)
※ジュブナイルとは…
大雑把に、ティーンエイジャーを対象とする小説の事。
なお、ここでは「少年向け冒険SF」のような意味合いでも使用しています。
~ あらすじ ~
主人公のアーデン・ベイラーは、落ち着いた雰囲気の16才の少年。
数年前に両親を自動車事故で亡くし、おじのフィリップ・ベイラーと2人暮らし。
ただ、おじは先生をしていることもあり、アーデンを気にかけてはいるものの忙しい。
早くに自立を迫られたせいか、アーデンは基本的にあまりしゃべらず物静か。
いつもみんなを盛り下げてしまう、と気にするような面も。
が、いざという時には素早く行動するなど、有能な少年であることを伺わせる。
(あとちょっとモテている気がする)
森に隕石が落ち、火災が広がるのを防ぐためにいち早く動く |
夜、アーデンが両親から継いだ牧場で、学生たちがフィールドウォッチングをしている最中に
流星雨が降り注ぎ、1つの隕石が落下してくる。
森の消火に追われた一夜が明けると、おじの友人であるカムデン教授は、落ちた隕石の
調査とその影響に夢中になり、またマスコミが押し寄せるなど、
牧場の所有者であるアーデンをよそに、周囲の状況は目まぐるしく変わっていく。
調査に夢中になるカムデン教授、くぎを刺すおじ |
そして流星雨の夜に姿を消した友人、ウィルトンはどこへ…
ガソリンスタンドを営む友人ウィルトン |
大きな騒ぎになっている事を知らせる。
「(流星雨について)我々は、もう二度とこのような出来事には遭遇できないでしょう。」
「驚くべきことに、回収された隕石の内部はすべて空洞になっているとの事です。」…
ふと謎の呼び声が聞こえ、もしやウィルトンが…と、夜の森へ飛び出すアーデン。
※こちらには本来文字が入っています。
各地に現れ始めた謎の宇宙人の姿、頻発する奇妙な事件。
彼らは一体何者なのか。
おじのフィリップやカムデン教授、友人、マスコミ、警察、科学者。そしてFBI など、
宇宙人と、そして彼に関わったアーデンを巡って様々な思惑が交錯する。
果たしてアーデンの決断は…?
~ 感想 ~
「少年と宇宙人との出会い」という点からE・Tのようなストーリーが想像されますが、
少し違う方向へ、いい意味で裏切られました。
終盤にかけて一気に物語が動き、一体どうなるのかとハラハラしながら読みました。
レトロな雰囲気で、奇抜さや派手な展開は控え目ですが、日常や、セリフ外での
少年の心の動きなどが丁寧に描かれていると感じます。
また、予想はできていたはずがついショックを受ける場面も…。
主人公のアーデンについて、必要以上に喋り過ぎず、台詞よりも行動と絵で気持ちを
描写していくような感じで好感が持てます。
10代はあまり自分の気持ちをストレートに話さないイメージなので。
彼のこうした面が、作品全体の静かな印象につながっているのかもしれません。
序盤から中盤では、日常を交えてゆっくり、じわじわと話が展開していきます。
遠く考えていた出来事が実は日常を侵食しており、いつの間にか渦中にいて…といった風。
進行が巧みだと思いました。
若干ホラーのような雰囲気もあって好きなのですが、話があまり進まない箇所なので
人によっては退屈に感じるかもしれません。
また、もし不満があるとすれば終盤の展開がやや駆け足な点でしょうか。
個人的に、もう少しだけページが欲しい所でした。
読後には不思議な寂寥感や余韻が残り、色々と考えてしまいました。
好みは分かれるかもしれませんが、ジュブナイルものとして良かったと思います。
またSandy Jarrell のアートは、シンプルさも含めて、本作の雰囲気に良く合っていると
感じました。
特に、カバーや序盤での「車の屋根に乗って星空を見上げる少年の姿」は
このタイトルを象徴するものだと思います。
カバー全体図 |
引き気味の絵が多い印象ですが、大事な場面での細かな表情も良いです。
とある場面では、状況と相まって、線の少なさがより恐ろしく感じる事も…。
Kevin Volo のカラーについても、普段は落ち着いた色合いですが、緊張感のある場面では
彩度の高い赤、青、黄など、強い色が画面を支配し、目を引かれました。
~ 地味に好きなコマ ~
アーデンに伏せた事情を看破され、研究者の女性(マーガレット)が答えるところ。
決意のこもった回答で、またその笑顔がいいです。
※2015.3.22 下記2つの画像を追記しました。当初と印象が変わってしまうかも
しれませんが、改めてこういう場面も大事と思いましたので、追記させて
頂きます。失礼しました。
宇宙へ小トリップ |
バーベキューサンドイッチもぐもぐ |
なお、ペーパーバック(TPB)版について、少しだけ注意点を。
TPB版は、紙質の関係もあって、デジタル版比べて恐らく若干色が薄くなっています。
本を開くと、折り返しから一面の星→タイトルへ…という流れはとても素敵なのですが、
その点にだけお気を付け下さい。
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返信削除京都国際マンガミュージアムにゴーストライダー日本語版1~3巻(発行・小学館プロダクション)を寄贈したぜ!!、すごいだろう?。
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