2014年9月19日金曜日

MUSE レビュー
ライター D-P Filippi アーティスト Terry Dodson


おかしな家に家庭教師としてやってきたキャロラインの
幻想的で夢のようで、そしてとてもセクシーな物語。

こんにちは。共同寄稿者のラジアクです。
今回はネットの評判を小耳に挟みかねてより読みたいと思っていた、
MUSEというグラフィックノベルのレビューを書かせていただきます。

今作はメビウスなどで有名なバンドデシネの大御所ユマノイドより発行された
グラフィックノベル「songes」(直訳:夢)の英訳であり、
他にもスペイン語、ドイツ語などに翻訳され各国で発行されています。

この作品の大きな特徴は、マーベルやDCでも活躍し
セクシーな女性を描かせたら世界でも並ぶ者はいないTerry Dodsonによる超美麗アートです。 全てのページ、いや全てのコマが芸術品であるといっても過言ではないくらい美しく華やか、
そして官能的な世界が一冊に収まっており、英語が苦手でストーリーは分からないという人でも
イラスト集として読んでも全く損はしない一冊です。
いや、むしろストーリーなんて読まなくていいというぐらいお話自体は薄……



あらすじ
大きな門の前に立つ美女キャロライン。
彼女はこの家の家庭教師募集の広告を応募してやってきたのだ。
すると門から奇妙な車に乗って男がやってくる。
「あの……新聞の広告で見てきたのですが……」
「うん!完璧や!」
いきなり初対面で妙なことを言われるキャロライン。
男は自らをEkbornと名乗る。この屋敷の使用人の一人だという。
うさんくさい男、Ekborn

門から屋敷までの長い長い庭を車で走り抜け、屋敷に到達すると今度は家政婦のGuérandeが出迎える。
そして迎えられたお屋敷の中はなんとスチームパンク的からくり屋敷だった!?
 屋敷内のギミックのアートは圧巻

自室へ案内され、荷物を整理するキャロライン。そこへGuérandeが主人Vernèreが待っているということを知らせにくる。
 Vernèreへ挨拶へ向かうがそこにいたのは一人の少年だった。

 「あら、かわいい!私はキャロライン。貴方のお名前はなあに?」
「マスター、こちらが新しい家庭教師のミスキャロラインです」
えっこっこの子がこの屋敷のご主人なの!?

そして始まるキャロラインの家庭教師生活。
でもその実態はほとんど主人の遊び相手になってあげることでした。

池でボート遊びに付き合ってたらEkbornに盗撮されたり……
(ちなみにEkbornは盗撮魔で本書の全編に渡って彼のキャロライン盗撮シーンが挿入されます)

そしてなんやかんや主人のヘンテコ発明と戯れたりして初日が終わり
ディナーで主人特性の不思議な飲み物(意味深)を頂き部屋で眠るとそこはなんと……!?

ようこそ!不思議な夢の世界へ!
ここからキャロラインの夢の世界のミステリーに迫る冒険が始まるのですが、この作品自体お話はあってないようなもので、様々な夢でのキャロラインの美麗さがメインに据えてあり
世界によってコスチュームが変わるキャロラインの美しさ、可愛さに心奪われること間違いなしです。

 美麗で官能的なアートの数々

DODSONの描くセクシーな女性の魅力がたっぷり詰まった一冊!
π乙にはB地区までしっかりと書き込まれているその匠ぶりも必見。
タイタニックやターザン、童話にアラビアンナイトとまさに夢の世界をキャロラインとともに巡り歩く楽しさを是非読んで体験してみてください!
 
注:今作はあまり刷られていないためかアマゾンなどでも手に入りにくい状況となっています。
しかしユマノイドの公式サイトからデジタル版へのリンクがあるので、読みたい方はそちらを利用するのも手です。

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